ファッション業界に当然のように存在し続ける「シーズン」と「セール」。近年、あえてこれらを撤廃するブランドが登場してきています。その理由は、本当に作りたい服を届けるため、サステナブルを実現するためなど。
今回は私達へのメリットも交えながら、実際にこれらをなくしたブランドをご紹介します。
なぜ私達のメリットに?
トレンドに与しない服にしても、サステナブルな服にしても、シーズンやセールを止めるとなると必要になるのが賞味期限の長い服。そこで各ブランドはオリジナリティを大事にしながら、ベーシックでロングライフのファッションを打ち出しています。
こうした長く着られる服は、消費者にも環境にも優しい存在。また、服が適正価格で流通することは生産者や原産者を守ることにも繋がり、やがて私達にもいい形で返ってくると考えられています。
ブランド その1:時代を読んで一歩を踏み出したSOFTHYPHEN
10年に渡って東京コレクションを牽引してきたMISTERGENTLEMAN(ミスター・ジェントルマン)は、節目を迎えた今春にブランド名を「SOFTHYPHEN(ソフトハイフン)」へ変更。
同時にシーズンとセールを廃止し、息の長い一着を提供し始めました。また、オーガニックやリサイクル素材、環境に負荷を掛けないレザーやウールを用いるなど、エコロジカルな路線へと大きく舵を切ったのも大きなポイントです。
※画像はMISTERGENTLEMAN時代のものです。
ブランド その2:サステナブルを牽引するRon Hermanも正常進化
アメリカ西海岸発のセレクトショップ「Ron Herman(ロンハーマン)」は昨年、2023年を目処にしたセールの廃止を宣言。併せて、2025年までにブランドのオリジナル商品をサステナブル品へ切り替えるとも発表しました。
余剰在庫をアウトレットで販売したり、ショッパー(買い物袋)を減らしたりといったこれまでの取り組みをさらに強化した、”廃棄ゼロ”という企業の責任を強く感じさせる内容です。
ブランド その3:作りたい服を通して風穴を開けたISSEY MIYAKE
2013年に登場したメンズブランド「HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE(オム プリッセ イッセイ ミヤケ)」は、いち早くシーズンをなくした(※)ブランドの一つ。月ごとにテーマカラーを設けながら、トレンドだけにとらわれない独自の商品展開を行ってきました。
一方、132 5. ISSEY MIYAKE(イチサンニーゴー イッセイミヤケ)やIM MEN(アイム メン)では、再生ポリエステルを用いてサステナブルな側面も打ち出しています。
※近年復活しています。