広島原爆の日の前日となる8月5日、84歳で逝去した「ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)」の創始者・三宅一生氏。

四十九日を前に、彼が携わったメンズブランドを通して再びその軌跡を振り返ります。

すべてが始まったISSEY MIYAKE MEN

出典: wear

ブランド初のメンズラインは「ISSEY MIYAKE MEN(イッセイミヤケ メン)」。レディースの「ISSEY MIYAKE」に対応する形でスタートしました。時は日中平和友好条約が締結され、インベーダーゲームがヒットした1978年。

“リラックスした空気をまとう男性像”という斬新なスタイルが、当時、新たな時代の幕開けを告げるものとして称賛されました。

時代に寄り添ったHOMME PLISSE ISSEY MIYAKE

出典: wear

日本が3.11を経験してから2年後。新たなメンズラインとして登場したのが「HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE(オムプリッセ イッセイミヤケ)」です。

テーマは”現代の男性に向けた日常着”。90年代よりレディース服で培ってきたプリーツ技術を反映させた、ストレスフリーかつイージーケアのメンズ服で、着る者・作る者の双方に大きな驚きを与えました。

ブランドはIM MENで次のステージへ

出典: wear

メンズのファーストラインとして君臨していた「ISSEY MIYAKE MEN」が突如として終了した2020-21年秋冬。その後継ブランドとして登場したのが「IM MEN(アイムメン)」です。

日本の”折りたたみ”文化とプリーツなどの熱プレスを生かしたこのライン。折り紙を思わせる”なつかしい襞”が服に表情を加え、趣のある男性像を演出します。

デザインを、人を、信じ続けて──

出典: wear

この他にも、一枚布で作る「A-POC(エイポック)」や平面の布が立体の衣服になる「132.5(イチサンニーゴー)」シリーズを通して新たなメンズ像を模索してきた三宅一生氏。

“ヒロシマ”を経験し、デザインを通して自身の思いを伝え、未来を深く見据えた84年間でした。ここに謹んで哀悼の意を表します。

ISSEY MIYAKEのオフィシャルサイトをチェック

By igr600

フリーのファッションライター。雑誌&WEBにて、モードからカジュアルまで幅広く執筆中です。おもにトレンド分析・カラーコーディネートといった情報を発信しています。