色には性格があると言われています。同じように生地の素材にも、そこから感じ取れるさまざまな性質があります。例えばベージュや茶色は「優しい性格」、コットンやリネンは「触れた人の気持ちを包み込む性質」といった風に。そう考えてみると、色と素材の組み合わせに”デザインの力”も加わった服には、心に影響を与える大きな力があると思いませんか?
今回は、服が心に与える影響に焦点を当てて、”感じるファッション”を考えてみました。心の状態に合わせて服を選ぶことで、ファッションの新しい楽しみ方が見えてくるかも?! 早速チェックしてみてください!
もくじ
【浮き立つ心を落ち着かせたいとき】アースカラーに任せる
「なんだかソワソワして気分が落ち着かない……」そんなときは、アースカラーの力を借りて「しっかりと地に足の着いた感覚」を取り戻してみましょう。例えば「大地に根を張る安定感」をイメージさせるブラウン。心に静けさを呼び戻して、冷静に物事を判断できる自分に立ち返らせてくれます。
こちらのスナップは、”木の根っこ”を思わせるすそ広がりのブラウンマキシ丈スカートに、かかとが地面から浮かないペタンコ靴の組み合わせ。こんなコーデでお気に入りの散歩コースを歩いてみては。”一歩一歩、確実に地面を捉えていく感覚”を楽しむうちに、心が落ち着きを取り戻す手応えを感じられるはず♪
【沈んだムードを引き上げてほしいとき】ビタミンカラーに頼る
元気がないときは、体と同じように心にもビタミンが必要。そこで活躍してくれるのが、ポップで発色のよい「ビタミンカラー」です。オレンジやイエロー、フレッシュなグリーンなど、心の中の淀んだ空気を一掃してくれそうな活力のある色で、気持ちを底上げしましょう!
とはいえ、落ち込んだ気持ちを無理に引き上げてリバウンドさせないことも大切。そこで、ビタミンカラーに少しくすみを効かせたマスタード色やレンガ色を身につけてみるのはいかがでしょう。遠赤外線でじんわり心をあっためるようなイメージで、少しずつ自分らしさを回復できそうですね♪ すぐ目に入りやすいネイルカラーにしたためるとより効果的です。
【プレッシャーを和らげて平常心を保ちたいとき】ペールブルーを身にまとう
滝が上から下へ向けて流れ落ちるように、物事の成り行きも、自然の流れに任せることで案外スムーズに進むもの。同じように”水”を連想させるペールブルーも、「こだわりを手放して状況を冷静に見守る力」を貸してくれます。
面積が広い分、色の影響力も大きくなるセットアップ。ペールブルー一色に身を包んでみると、常に形を変えながら流れていく水のように、「状況に合わせて柔軟に対処していく軽やかな心」が生まれます。歩くたびに揺れるスカートの裾にリンクして、”深刻モード”が溶け出していくかも♪
【孤独を紛らわせて自分を見つめ直したいとき】コットンに包まれてみる
着る人の心を包み込んで安心感を与えるのも、服の大事な役割の一つ。コットンの優しい肌触りは、孤独を紛らわせて心まで温めてくれます。大切な人と会える機会が減っているこの時期、自分を見つめ直すために、心地いいコットンの服で「おうち時間」を過ごしてみませんか?
コットンの服は、なにより質感のよさが魅力。こちらのスナップのように、”無駄がないのに存在感のある”ブラウスとパンツでシンプルにコーディネートして素材感を味わいたいものです。「飾らないのにきちんとしてる」。そんな装いが心を整える手助けになりそうですね♪
【複雑になった思考をリセットしたいとき】ホワイトで白紙に戻す
「白紙に戻す」と言われるように、ホワイトは「古い考えをリセットして、頭の中に真っさらな空白を作ってくれる色」です。由緒ある儀式に正式な衣装があるように、自分の気持ちを整理したいときには、ホワイトの服装に身を包み、形から入ってみるのも一つの手。忘れていた基本に立ち返るきっかけになるかもしれません。
色に頼らないホワイトのセットアップやワンピースは、その分シルエットの美しさが際立ちます。必要なことを見出し、余分なものを削ぎ落していく内面的な作業には、きっとこんな装いが向いています。
【自己肯定感を上げたいとき】花の色の力を借りる
自己肯定感が下がっているときは、自分に対して厳しくなりすぎているとき。それでは普段がんばっている自分がかわいそうですよね。そんなときは、花の色を味方に付けましょう。ラベンダーやコスモス、ヒマワリなど、花が持つ色は「開く」「発展する」といった、「外へ向けて羽を広げるようなイメージ」を想起させます。固く閉じてしまった心を開き、前を向くパワーになってくれるはず!
たとえばビッグシルエットのラベンダーシャツ。花のような明るいパステルカラーをゆったりと崩して着るだけで、締め付けられていた心が不思議と緩んでいきます♪ 小花を散りばめたマキシスカートを合わせて、優しい気分で一日を過ごしてみてください。